RGAA クラブ 「音の展覧会」

第12回 RGAAクラブ「音の展覧会」

5月16日の日曜日に何時もの所で上記例会が催される。

今回も何かを期待して参加する。

案の定、喜山さんが新スピーカーを出していた。

何時もの事ながら木工加工の緻密さ精度の良さに圧倒される。

前回製作の5cm全帯域フラットスピーカの下に何と50cmの全帯域フラットスピーカを繋いでいた。

PETシートに拠る蝶ダンパーエッジを含めノウハウの塊である。

固有振動を一切回避する箱に今回は興味を持つ。

自宅の既製品の箱を改造してみるか!

肝心の音はさわやかな低音で市販スピーカーとは次元の異なる傑作である。

ダントツに興味を唆されたのは今回も矢張り大沢久司氏のMCカートリッジである。

完成度120%でもはや改良の必要が無いのでは?

それにしてもφ1.5mmのコイル径の中にどうやってφ1mmのネオジマグネットをセットするのか只感心するのみ。

片側0.25mmでこすれも無くコイルは動いているのである。

ヘッドアンプは例のI-Vアンプである。

変更点は6個のICの全ての電源を独立させた事か。

此れってどの程度の効果なのか知りたいものである。

ついぞ聞き漏らしてしまった。

それほど音は圧巻であった。

感想を求めに顔をのぞきに来たので素直に褒めたがまんざらでもない様子。

其処が大沢久司さんの良いところ。

11/22 ラ技 RGAAで紹介された杉沼氏作の”フェルト”箱入りスピーカー

11/22のRGAAでのもう一つの特記事項が杉沼一郎さん製作のフェルト製後面開放箱を核とするシステムである。

6.5inchつまり6半のシングルコーンスピーカ(例の三菱ダイヤトーン製の安価な物)から出る音が、音質・音量で38cmウーファーを用いた3Wayに劣らないどころか時として凌駕しているのであるから不思議の一言である。

一般家庭でこれ以上のオーディオ装置は全く不要!と断言できる。

音を聴いていない人には如何説明しても絶対信用して貰えない事を判りながら、一人でも信じてくれる人が居る事を期待し概要に触れる。

・先ず何故あのような大音量がチャチ?なスピーカーから出るのかの答えはいとも簡単!

つまり後面開放の箱に入っている為、コーン紙が幾ら振幅しても座屈を起こさないのである。

(後期型の為ロールエッジで可能であるが、旧型の波形エッジは不可能!)

此れがバスレフ箱だったり、密閉箱だとボックス内の空気の抵抗で駆動部(中心部)の動きにコーン、特に周辺部が付いてゆけず、スピーカーが破壊する訳である。

ブーストせずに低音が豊かな理由は何と9Kg!も有るデッドマスと後面開放によるfo以下の再生実現、プラス石塚・大沢I/Vアンプの効果か?

(このアンプを何処かのメーカで市販すれば大ヒット間違い無しと思うが・・・・)

・何故あのような市販スピーカからベールを10枚も20枚も取った様にクリアで生々しい音が出るのか!

一番効いているのは後面開放に拠る背面から出る逆相の利用とボックスに”木”一切使わずフェルト箱の為不要な振動が生じない!であろう。

後は、ネットワーク無し、それとVRはセイデンのロータリSWと抵抗に拠るT型アッテネータ直結、従って当然プリアンプ無し。

それと、I/Vアンプの電源が異常な大きさと重量(持った感じでは6-7Kg/ch)である事。

これは450Vと真空管並みの高電圧大容量コンデンサーと特殊な巻線による漏れ磁束の無いチョークインプット2個の効果であろう。

万難を排して機会を作り一聴される事をお勧めする。

それにしても当方の今までの長年に渡る苦労と莫大な投資は一体何だったのだろうか?・・・。

大沢久司さん設計製作のヨークレス スピーカー群

11月22日、御茶ノ水の定例の場所でRGAAが開かれ、大沢久司さんが新型スピーカを披露された。

内容はヨークレスの磁気回路を用いたスピーカー群である。

流石効率が悪い様で、リング状のネオジMgをダブルで使っていた。

彼は以前よりヨークレスのMCカートリッジを製作しており、”鉄”の影響を無くす為一切の鉄を排除する設計をしている。

先ず音であるが、500万円を越す市販の全てのスピーカと比較し、別次元の者である。

詳細は近い内にラ技に記事が載ると思うので簡単触れる。

・低音は50cm(実は大沢、室井、佐藤氏の3人が夫々製作しており、室井製は65cm)と20cmの2Wey。

・コーン・エッジとも和紙、ダンパーは紐吊り。

・低音ユニットは2kHでだら下がり。高音は20cm。

・低音はI/Vアンプ、高音は2kH以下がだら下がりのファインメットOPTを用いた6BM8Sとのマルチアンプ。

・つまりネットワーク無し。

・武宮理論に沿って、箱無しの平面バッフル。

ベートーベンのピアノコンチェルト

最も好きなピアノコンチェルトはベートーベンの4番である。
そこで手元に有る下記CD7枚の聴き比べを行ってみる。

1.内田光子/クルト・サンダーリング/ローヤルコンセルトフェボウ
2.ブレンデル/ハイティンク/ロンドンフィル
3.ポリーニ/ベーム/ウイーンフィル
4.アシュケナージ/メータ/ウイーンフィル
5.レオン・フィッシャー/セル/クリーブランド
6.オールソン/スクロバチェフスキ/N響
7.アルツールルービンシュタイン/アンタルドラティ/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

結果であるが

⑦は1967年録音と古く問題外。
⑥は下手過ぎで問題外。
④、⑤はピアノ、指揮の夫々が下手。
②、③はピアノ、指揮とも我慢できるレベル。
と言うことで、ダントツは①である。
内田光子のピアノも最高で且つ指揮・演奏も劣らず良い。
今回直接比べて無いが、レコードで所有するハンセン/フルトベングラ/ベルリンフィルを凌駕するのでは?

今回は貴重な結論と余り経験することの無い誠に贅沢な時間を過ごすことと成る。

カラヤンのお宝演奏ミサソレムニス

カラヤンファンのみならずクラシックファン待望のイベントが3月20日に行われた。
TOKYO MXによるオーストリア放送協会提供の録画放送である。
昨年のカラヤン生誕100年記念の再放送との事であるが、私にとっては初めて。
演目は
・ヴェルディのレクイエム
・モーツアルトのレクイエム
・ブラームスのドイツレクイエム
・ベートーベンのミサソレムニス
である。
それぞれ85年から86年頃の録画であり数社よりすでにDVDで発売済み。
録音といい、演奏といい、現在入手出来る最良のものであろう。
何が驚きかと言うと、発売済みDVDの音は”MP3”の圧縮された伸びの無いつまらない音。
放送は48Khz、16ビットでCDを凌駕する音。
当方ダウンコンバータ経由の44Khz、16ビットのCDフォーマット録音しかできない。
(フィリップスだかSONYだか知らないが、誰がこの様に問題だらけのCDフォーマットを決めたのか?)
止む無く此れでエアーチェック。
此れらも超お宝CDライブラリ入りと成る。
個人的にはドイツレクイエムのキャスリーンバトルも捨てがたいが、最後の荘厳ミサ曲がお気に入り。

ガスパール・カサド 国際チェロ コンクール in 八王子(GCIVC)

ガスパールカサド 国際チェロ コンクール in 八王子(GCIVC)の本選がいちょうホールの大ホールで今日行われた。

1次予選、2次予選と勝ち抜いたのは、何とたったの4人。

本選は東京フィルをバックにチェロコンチェルトの1本勝負。

結果はお偉い先生方が決めるとして、勝手に結論を述べてみる。

まずトップバッターである紅一点のイスラエル嬢は残念ながら見劣り大。

日本勢として唯一残った二番手の通称プロ?もお粗末。

後は身振り手振りが異常に派手な亜米利加屋かフランスの色男。

曲が異なるのでまたまた勝手に判断すると、実力は色男、人気でアメリカ屋。

いずれにしても何処の何方が設計したのか知らないが、大ホールの音響が最悪。

2次予選までの小ホールが頗る良かったのでもう少しマトモナ環境で聴きたいものである。

例によって何処にでも顔を出す黒須知事が来ていたが、まさか彼方が絡んでは居ないですよね。

いよいよ明日は最終日、優勝者の披露演奏会を名残惜しく聴く事にしよう。

ガスパール・カサド 国際チェロ コンペティション in 八王子

ガスパールカサド 国際チェロ コンペティション in 八王子(GCIVC)のコンクールが現在八王子市のいちょうホールで開催中である。

以前パリで開かれていたコンペの復活であり、3年前に八王子で再開し今回が2回目のコンクールと成る。

(詳細はHPで)

前回に引き続き1次予選より会場に出向く。

200人程度の規模の小ホールであり、演奏雰囲気・音質面で最良の環境である。

一人の持ち時間が45分であり、1日に10人も続くと失礼ながら此方も疲労困憊となる。

兎に角相変わらず驚異的ハイレベルのコンペである。

つまり、彼方此方で開かれているプロの外来タレントによる演奏を遥かに凌駕するのは当然である。

何故かと言えば、其方は外人コンプレックスの有る日本での容易な利益目的、此方は3年間”ソレ”に集中し人生を賭けてきた結論のお披露目である。

心がけ・根性が違う!

1次予選に参加した60人強から2次予選は20人弱に絞られたが、落ちた人には同情の極まりである。

今週末に最終予選である本選が行われ優勝者が決まる訳であるが、審査員も難しい結論を要求されご苦労な事と感じる。

本選・披露演奏会とチケットを既に購入済みである事は言うまでも無い。

余談であるが吾が日本勢は参加人数が多い割りに低調なのに比べて、韓国勢・中国勢が目立つのも矢張り”外人コンプレックス”なのか?それとも実力か?

欧米の参加者に特別感じない所を見ると、矢張り後者と言わざるを得ない!